那須です。
最近「受託開発の極意」を読みました。
私は、受託開発は仕事としてやりがいがあるし、楽しいものだということを肌で感じています。ただ、常にモチベーションを維持するのが難しい仕事だと思います。
システム業では(に限らないかもしれませんが)、受託開発はよく自社サービスと対置されます。受託開発と自社サービスの決定的な違いは、アイデアやサービス設計を誰が行うかだと思っています。その意味でも弊社久末が「受託開発とサービスを比べる意味はない」で書いているように、あまり比べる意味のないものです。
ただ、それが実現できる可能性を秘めた上でアイデアを考えたりするのは楽しいことです。受託開発の場合は、この楽しい部分が制限されてしまうことから、モチベーションの低下につながるのだと私は考えています。受託開発であっても、企画から参加できることもありますし、サービスに対して提案ができる場合もあります。こうした開発は、楽しいし、開発者も一緒にサービスを作っているという意識を共有でき、モチベーションを維持する(もしくは高める)ことができるかと思います。
この本では、受託開発におけるモチベーションの低下は、クライアントとのコミュニケーション不足にあると説明しています。そのために、コミュニケーションパスを適切な数に増やして、窓口担当者だけがコミュニケーションをするのではなく、多くの人がクライアントとコミュニケーションを取りましょうということが書かれています。
#誤解を招きそうなので、補足しておきます。
プロジェクト参加者の全員がクライアントとコミュニケーションしましょう、ということではなく、コミュニケーションパスが煩雑になり、コミュニケーションそのものがプロジェクトの進行を阻害することは避けるべきで、適切な人数でコミュニケーションしましょう、ということです。適切な人数を割り当てる方法などは、この本に一例が挙がっていますので、興味のある方は参照してみてください。
クライアントとコミュニケーションしたからといって、上述のように必ずしも企画から参加できるようなことはありません。むしろ、関係ない場合が多いでしょう。それでも、クライアントと密なコミュニケーションを取っていくことで、信頼関係が生まれ、次期開発などの機会に恵まれれば、そうしたチャンスも生まれてくるのではないでしょうか。
また、受託開発では、モチベーションが低下すると、この本が言う「下請け根性」が表に現れます。「下請け根性」とは、どうせ下請けだし、言われたことだけをやればいいという考えで、これにより開発者は判断を停止してしまいます。
この本は
- 「下請け根性」にならないためにはどうするか
- クライアントとの信頼関係を築くためにはどうするか
といったことがちりばめられています。本の紹介文でも書かれていますが、受託開発者であれば、誰もが意識していることばかりではありますが、自分自身が、もしくはチームの一員がモチベーションを維持できていないと感じるときに手元においておくとよい一冊かと思います。というか、この本の後半はほとんど自己啓蒙書です。受託開発に限らず、ここに書かれていることを常に意識して仕事をしていくべきでしょう。
