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ワンソース・マルチユースによる印刷物の制作(概要)

2007年03月14日(水)19:58|unno

 海野です。

前回のエントリーでは私の興味があるテーマとして「ワンソース・マルチユース」を取り上げました。

具体的には、「一元管理されたひとつのソースから『WEBサイト/印刷物/プレゼンテーション資料』を作ろう」というものです。もちろん、ただ出来ればよいというのではなく、制作の現場で実際に使える効率的なワークフローを考えてみたいと思います。

今回のエントリーではその中でも「印刷物制作」について焦点を絞ってお話します。

図1 ワンソース・マルチユース

【今回の目的】

  • ソースから印刷物ができるまでの効率的なワークフロー
  • そのために利用するツール についてまとめてみます。

1- DTPソフトの紹介

まずは、DTPの現場で使われている一般的なソフトについてご紹介します。

印刷物を制作するソフトを大きく分類すると以下の2つに分けられます。

素材をつくるソフト

  • テキストエディタ → テキストを作る
  • Illustrator → イラスト・地図を作る
  • Photoshop → 写真を加工する

素材をレイアウトするソフト

  • InDesign(42.5%※) or QuarkXPress(42.4%※)

カッコ内の数値はシェアを示す。 以前はレイアウトソフトといえば「QuarkXPress」だったが、InDesignが発売されてからはInDesignが徐々にシェアを拡大している

図2 DTPソフトの紹介

※ 2006年度Mac Fan NetのDTP環境アンケートを参照させていただきました。http://macfannet.mycom.co.jp/special/2006DTPenquete.html


2- InDesignの特徴

今回は、これらのソフトの中からレイアウトソフトである「InDesign」を使用します。

まずはInDesignの特徴

  • 高度な日本語レイアウト機能
  • XMLデータの読み込み/書き出し機能
  • スクリプト(Javascript/AppleScript/VBScript)を使った自動レイアウト機能

今回はXML読み込みとJavascriptによる自動レイアウトを使った印刷物制作を考えてみます。


3- 従来の印刷物制作のワークフロー

前回もお話しましたが、従来の印刷物制作について見てみましょう。

ここではわかりやすくするため、ソースの部分をテキストのみとして考えます。

制作工程は以下の通り。

  • (1)ライターがテキストを作る
  • (2)そのテキストをDTPオペレータ(またはデザイナー)が割付。レイアウト作業を行う
  • (3)出来上がったInDesignデータを出力し、校正作業を行う
  • (4)修正があればInDesignデータに直しを入れる
  • (5)直しがなくなれば印刷所へ入稿

図3 従来の印刷物制作のワークフロー

【ワンソース・マルチユースを実現するにあたっての問題点】

本来はテキストでデータを管理したいのですが、InDesign上で直しを入れるため、最新データはInDesignデータとなってしまいます。 つまり、ワンソースではなくなってしまうわけです。

InDesignデータが完成してからテキスト側にデータを戻す方法も考えられますが、実際の制作現場では毎回戻し作業を行うのはかなり面倒だと思います。 (ちなみに、InDesignでの作業の連携を便利にしてくれるソフトが有償で販売されていますが、今回はこういったソフトは使わずに実現する方法を考えていきます。) ProDIX:http://www.profield.jp/Product/prodix.htm


4-ワンソース・マルチユースのためのワークフロー

というわけで、実現できるワークフローを考えてみました。

制作工程は以下の通り。

  • (1)ライターがテキストを作る。
  • (2)DTPオペレータ(またはデザイナー)がInDesignのデザインテンプレートをあらかじめ作っておく
  • (3)テキストとInDesignのデザインテンプレートから校正用のPDFを自動レイアウトで作成し、校正作業。
  • (4)テキストの直しはテキストへ、デザインの直しはInDesignのデザインテンプレートに入れ、再度自動レイアウトを行う
  • (5)直しがなくなれば印刷所へ入稿

図4 ワンソース・マルチユースのためのワークフロー

【ポイント】

  • ソースはテキストベースで管理する
  • InDesign上で手作業は行わない。javascriptによる自動レイアウトを行う。
  • テキスト原稿の文字数等はあらかじめ決め、先割りでInDesignのデザインテンプレートを作っておく。

このワークフローのポイントはInDesignでの手作業をなくすことです。これにより、中身のデータとデザインを完全に分離できます。 WEBでいうところのXHTMLとCSSみたいなものです。InDesignで複数のデザインテンプレートを用意しておき、切り替えたりすることもできるでしょう。

これらを実現するために重要になってくるのは、コラム内の文字数をある程度決めておくことと、文字数が変化した場合にjavascirptでどれくらい制御できるかということです(校正作業で文字数が変化したときの対応など)。

とりあえず次回、簡単なレイアウトから試していきたいと思います。


5-まとめ

  • 各コラムの文字数等が決まっている印刷物であれば、レイアウトの自動化が可能
  • Javascriptによるレイアウト制御がどの程度できるかがポイント
  • 次回実際に試してみる
  • (補足)最近Adobeより、InDesign Server CS 2が発売された。これはInDesignのエンジンをサーバ化した製品でUIは付属していない。これは一般ユーザが使うというより、システム開発会社が自動組版ソリューションを開発するためのもの。 http://www.adobe.com/jp/products/indesignserver

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